
#言語優位者の憂鬱1 シリーズ第2弾!「お休みします」は間違っているというテーマでお話しします。
(配信では”初めての試み”とか言ってますが、実は2回目w )
「お休みします」は基本的に間違い
私の見解では、基本的に間違った使い方です。後述のように正しい場合もあるのですが、かなり稀有な状況なので、使わない方が無難でしょうね💡
一般的な状況を思い浮かべてみてください。皆さんがお休みをいただく際、会社や学校など目上の方がいる場で使うことが多いと思います。
サークルや仲の良い友人との間なら「休みます」で問題ありませんが、ビジネスなどの畏まった場ではそうはいきません。では、何が正しいのでしょうか。
丁寧な表現の「休みをいただきます」

最も丁寧な表現は「休みをいただきます」です。例えば、
「本日、体調不良のため、休みをいただきます」
というように使います。
もし休んで良いか迷う場合は、
「本日、体調不良で出社を悩んでいます。できれば休みを頂戴したいのですが、よろしいでしょうか。」
のように、確認や相談をするのが最も丁寧で良いでしょう。
「お休みします」が間違っている理由

「お休みします」という表現がなぜおかしいのか。私からすると、まず語感がおかしいと感じます 。
自分がすることに「お」をつける上に、この使い方だと「お休み」が動詞ではなく名詞に聞こえてしまいます 。
まるで「おやすみなさい」の「お休み」のように聞こえ、「お休みします」は「私、お昼休みにお昼寝します」といった、どこか子供っぽい印象を与えます(^^;
では、なぜこの言葉が最近よく使われるのか。Googleで検索すると、割と上位に多く出てくるからです 。2多くの人が、検索結果で上位に出てくるから正しいのだろうと考えている節があります。
若手の経営陣が運営するようなビジネス用語サイトでは「お休みします」が丁寧などと解説されていますが、これは間違いです 。
おそらく、そうした若い世代の経営陣は、代々使われてきた日本語の敬語の使い方をあまり学習されていない印象を受けます。3
「お遊戯します」「お昼寝します」と同じように、どこか幼く聞こえるおかしい表現です 。
例外的に「お休みします」が正しいケース

実は「お休みします」が正しい場合も存在します。それは「目上の方の行動を、別の目上の方に丁寧に表現する」場合です 。
以前、たまたま知ったのですが、とある書籍にあったエピソードです。4政治家の先生の秘書さんが、体調不良の先生に代わって国会などに電話をかける際、「先生は今日お休みします」と伝えるそうです 。
この場合、秘書さんは先生の代理として電話をかけていますが、先生の行動に対して謙譲語の「~させていただきます」は使えません。なぜなら、秘書さんが先生に代わって休む許可を得る権限はないからです。これは「越権行為」にあたります。
秘書さんから見て、先生は目上であり、権限も上の方です。そのため、先生の行動に対して「お」をつけて、謙譲語は使わずに丁寧に表現する必要があるのです。
したがって、「先生は休みます」ではなく、「先生はお休みします」という表現になるのです。このパターンだけは「お休みします」が正しいと言えるでしょう 。
まとめ
今回は「お休みします」がおかしいという話でした。「お昼寝します」のような、少しばかり幼気な表現であり、ビジネスの場では基本的に避けるべきです。
もしかしたら10年後には普通に使われるようになるのかもしれませんが、個人的にはこの使い方は好か〜ん!
皆さんも、日々の言葉遣いを少し見直してみてはいかがでしょうか 。調べ出すと、意外とハマってしまうかも😊