障がい者表現と炎上書籍 〜 私たちに必要な両面思考

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困っている人/Generated by PixAI

今回は、ある書籍の炎上問題について考えてみたいと思います。『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』という発売前の書籍が、その表現方法や内容について批判を浴びている件について、私なりの視点から掘り下げていきます。

※この記事は発売前の書籍についての情報に基づいており、発売後の内容とは異なる可能性があります

炎上しているポイント

上から目線の表現・決めつけ

精神保健福祉士ウサギさんの動画で知ったこの書籍ですが、何が問題視されているのでしょうか?

まず、「困った人」という表現自体に違和感があるという点。これは「困っている人」ではなく、「困ったちゃん」や「どうしようもない人」という、上から目線の表現に聞こえてしまう点です。加えて、その人々を「うまく使ってやろう」という意図が見えてしまうところも問題だと言われています。

また、障害について「パターン別」で分析し、診断チャートで当てはめようとしている点も、余計な決めつけや誤解を生むのではないか、と問題視されています。

「なぜ歴史ある三笠書房さんがこんな本を?」という批判の声も上がっている様子。著者はカウンセラーを名乗り、産業医の経験もあるとされていますが、その専門性に対する疑問も呈されています。

参考動画

【緊急】大炎上中の書籍について精神保健福祉士が吠える!!

動物を擬人化したイラストで例え

本の内容はまだ完全には公表されていませんが、目次や表現、イラストなどが物議を醸しています。特に「困った人」を動物に例えて、服を着せて立たせるようなイラストが使われているようで、差別的な印象を与えかねないとの声があります。

出版社側は「誤解を生むような印象を与えてしまった」と謝罪しているようですが、著者は「中身を読んでもらえればわかる」と主張しています。

批判と肯定 〜 両面からの考察

相反する存在/Generated by PixAI

批判と肯定の各視点に立って考察し、それぞれの立場の権利と責任について考えてみます。

批判的な見方 〜「うまく動かす」というフレーズの問題性

やはり、先に触れた「うまく動かす」という表現に大きな違和感が残ります。人をコントロールできるという前提自体に問題があるのかと。

私たちは自分の心さえコントロールするのが難しいのに、他者をコントロールできるというのは幻想です。刺激に対する突発的な反応を抑えたり、慣れない気持ちを受け入れた上で行動を選択することはできても、思ってしまう感情自体はコントロールできません。コントロールしようとすると、かえって逆効果になります。

批判側の権利と責任

批判する側には、誤解を生むような表現に対して「これはおかしい」と言う権利があります。同時に、責任としては、可能であれば本を実際に読んだ上で意見を述べることが大切かもしれません。

ただし、感情的になったまま本を読むと、気に入らない部分だけが強調されてしまい、公平に内容を把握できない可能性があります。

肯定的な見方 〜 知るきっかけになる可能性

一方、ネット上のニュースで、あるライターさんが「この本は世に出すべきである」と主張しています。理由としては、表現の自由の範疇だから・人付き合いのヒントになるからという点が挙げられていました。(ぐつぃ が読みとってまとめた感想)

※ニュース記事タイトルには「必ず出版すべき本である」とありますが、記事文末では「別に素晴らしい本だとは思わないが、世の中に一冊ぐらい、こういう本があっても構わないと私は思う」とあり、違和感を抱く記事ではあります(^^;

三笠書房の『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず出版すべき本である(ニューズウィーク日本版) – Yahoo!ニュース

また、この本の目次を見るとアサーションスキルの記載があるので、「上から目線」だけではなく、相手側の視点にも寄り添う内容が含まれているかもしれません。

確かに、「困っている本人の努力だけでは根本的に解決が難しい」ということを知っていれば、よくわからずに怒りや強い権力で勇気をくじくことも、回避できるとは思います。

肯定する側の権利と責任

「この本は出すべきだ」と主張する側には、障害についての理解を広める手段として評価する権利があります。しかし同時に、「自分も当事者側になる可能性がある」という視点を持つ責任もあるでしょう。

自分が「困った人」と認定される立場になったとき、その「心理術」を受ける立場になったとき、どう感じるか。そのことを想像する謙虚さが必要ではないでしょうか。

ここが、私が最も伝えたいポイントであり、自身が快いと思えるか否か=この本を広めるべきか否か、の分かれ道になるのかと。

私たちに必要な姿勢 〜 二元論を超えて

イイトコ探し/Generated by PixAI

この問題を単純な善悪の二元論で語るのではなく、どうすれば建設的な議論になるでしょうか。

合理的配慮と才能の視点

職場での「困った人」とされる方々の特性は、見方を変えれば才能でもあります。その才能をどう活かせるかという視点で考えることが大切です。「アサーション」の考え方を取り入れ、お互いが我慢するところを減らしていく工夫ができるとよいですね。

例えば「困った人」と感じる場面でも、「この人のこの特性は、別の場面では素晴らしい強みになるはずだ」という視点を持つことで、関係性は変わってくるかもしれません。

参考

見方を変えれば長所使い、それは才能である。ぐつぃ が自身の才能を深掘ることができ、人生の転機を掴む切っ掛けとなった本です。言語優位者向けかもしれませんが、誰かに手伝ってもらったり、友達や家族と一緒に読んで設問に回答したりすると、うまく見つけられると思います。

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自己反省の必要性

私たち誰もが、得意なことについては「どうしてこんなこともできないの?」と思ってしまう瞬間があります。それは障がい当事者であっても同じです。特性ゆえに活かせる部分で輝いている人が、それができない人を理解できないこともあるでしょう。

そう考えると、この本を書いた人の「うまく動かしたい」という気持ちも、人間として理解できる部分があります。お互いに当事者意識で考えたとき、初めて「気持ちはとてもわかる。だからこそ…」という次の一歩へ進めるでしょう。

まとめ 〜 対立から対話へ

違いを抱いて、向きを寄せて/Generated by PixAI

この書籍の炎上問題は、違う立場の双方が「一方の見方のみで権利を主張する」ことで引き起こされたと思っています。この構図だけで言えば、戦争と変わらないかもしれません。正義の反対は違う正義、ですかね。

しかし、批判だけで終わるのではなく、どうすれば相互理解が進むのか、建設的な対話が必要です。上から目線の表現を改め、「多様な特性を持つ人々と、どうやって勇気づけし合っていくか」という視点で語り合えれば、もっと実りある議論になるのではないでしょうか。

あなたは「困った人」だと思われたことはありますか?あるいは誰かを「困った人」だと感じたことは?私たちは立場が変われば、見え方も変わることを覚えておきたいものです。多様性を認め合いながら、お互いの才能を活かせる社会を目指しましょう。

この炎上問題が「ただ視聴率を稼ぐマスコミの手段」とはならず、「みんなが両方の立場で考える切っ掛け」になることを願って

おすすめ

「勇気くじき」を知っていれば、いろいろなハラスメントも結構回避できるのでは、と思っています。怒りは二次感情、勇気づけなど有益な知識がいっぱい。ぜひ、何度も読み返して知得から体得へ繋げていきましょう。

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